{ 台所からの手紙 }2018.09.04

vol.043 10年後のあなたへ

実はね…
まぁ、「実は」でなくとも知ってるかもしれないけれど…
ママはお料理があまり得意ではありません。

10年後のママも同じかしら?
少しでも進歩しているといいな。

けどね、人は食べたものからしか作られないと思うし、
優しい料理は、身体に染み入ることを知ってるからね。
得意・不得意も言ってられず、
あなたが小さい頃には、食育講座に通ったりもしたのよ。

そして、働いていてバタバタする中でも、
出来ることをって…まずは、調味料を整えることにした。

その時のママのチャレンジは、
お味噌汁のお出汁を自分でとること。
水に煮干しを入れて放っておけば、
出汁がとれると聞き、最初、他のお料理にも使えるよう、
お茶を作る瓶に水と煮干しを入れてみたの。

そしたらね、
瓶の中で煮干しが縦になって浮いている…
それはそれは異様な光景になって…
しばらくの間、麦茶を出す度に「おさかな?おさかな?」と聞いてくるようになったの。

小さいながら、
ママに魚を飲まされると思って
恐怖に感じたのかしら…。
ごめん!

10年後のあなたに、
そんな恐怖の記憶ではなくて、
少しでも美味しい『味の記憶』を残せるように…
今のママはもうちょっと頑張らなきゃなと思います。
けど、力を入れ過ぎず、楽しくね。

10年後のあなたが、
今と同じく、笑っていますように!

内田歩美(From kitchen 自分をつくるワークショップ講師)