{ 台所からの手紙 }2013.01.13

Vol.009 入園を思い出す、節分

珠季へ

珠季がはじめて保育園に行ったのは、3年前、
1歳のときの2月1日。

保育園に入れるようになって、
チチもハハも、とっても嬉しかったけど、
いちばん大きな気持ちはドキドキだった。

珠季、泣いてないかな?ごはんはちゃんと食べてるかな?
お友だちと遊べてるかな?って。
急に入園が決まっていろいろ準備もあるし、は
じめは慣らし保育だからお迎えをおばあちゃんたちにお願いしたり、
どたばたしてたんだ。

だから2月3日が節分ってことはすっかり忘れてたの。
仕事では節分はやらないんだ。
ハハが仕事が終わって急いで帰ったら、
珠季はおうちで鬼のお面をつけて遊んでたよ。
クレヨンをツノにして、「ーの!に!」って言って楽しそうにしてた。

ハハは、あーそうだ、節分だったなあって気がついて、
そういう季節の行事をやってくれるのって
保育園っていいところだなあって思ったよ。

連絡帳にはお昼ごはんの前に「豆まき」って書いてあった。
先生が鬼になって出て来た時は、珠季は泣いちゃったんだって。
でもその後は楽しく遊んだみたいで、
ハハには、珠季が保育園に行くようになってはじめて安心したことだったと思う。

節分って気付いたのが、家に帰ってからだから、六時半くらいだったかな。
おうちで節分メニューでもつくりたいところだったけど、
時間もないし珠季もおなかすいちゃうし、ちらし寿司にしたんだ。
ふつうのごはんを予約して炊いてあったのを、急遽お寿司にしたの…。
野菜はあるものを入れて、お酢はちょっとにして。

それからは保育園っ子だから、節分を忘れるなんてことはなくなったよ。
お正月が終わったら節分ってかんじだもんね。
一緒に太巻きを作ったり、保育園の帰りにお寺の豆まきにも行くし、
もらったお豆を食べたりしてるよね。

今年は維吹も1歳でいろんなことよくわかるようになってきたから、
「おに」のこと教えてあげようよ。
豆まきも姉妹ふたりでできるかも。
節分メニューもいいのを作るつもりだよ。

だけどハハは、節分になると、珠季の入園のころを思い出すの。
ばたばたで節分のことなんて忘れてたんだよなーって。

チチとハハは今でも忙しいけど、あのときに比べたら、
今はのんびりしてるほうかもね。