{ 台所からの手紙 }2015.03.05

vol.039 ちょっと大きめのお弁当箱

人一倍よく食べるのに、うちの3人はみんな小柄だね。
小柄だから、他の人たちはみんなの食べる量を見ると、びっくりするよ。

幼稚園の年少さんから、大人が食べるくらいのおにぎりふたつ、お弁当に持って行ったね。

忘れもしない、みおが年少の時の「プレお弁当」。
なんでプレかっていうとね、年少さんは本当は4月の間お弁当がなかったの。
その年初めて、「上の学年にお兄ちゃんやお姉ちゃんがいる子だけは、お兄ちゃんやお姉ちゃんのクラスでお弁当を食べましょう」っていう日が3日あったんだ。
だから、「プレお弁当」。

みおはお兄ちゃんが年長さんだったから、年長のひまわりぐみでお弁当を食べるんだって、朝喜んで幼稚園に行ったんだよ。
お母さんが帰りにお迎えに行くとね。
ひまわりぐみの、同じ名前の「みおちゃん」が、お母さんのところへ飛んできて、
「みおの弁当でっかいんだ~!!」って、目を丸くしたから、お母さん笑っちゃった。

だってね。まだ他の年少さんはお弁当も始まっていないのに、うちのみおのお弁当は大きなおにぎりがふたつも入っていて、それをペロリと食べちゃったんだから。
年長さんの「みおちゃん」のお弁当箱より大きかったのかもしれないね。

冬は保温器でお弁当を温めてくれる幼稚園だったから、プラスチックのお弁当箱は冬の間使えないの。
ステンレスのお弁当箱を探しにお店屋さんに行ったけど、子供用のお弁当箱はうちのみんなには小さすぎて。かといって大人のは大きすぎるから、みんなはお母さんが幼稚園の時に使っていた、30年前のお弁当箱を使ったんだよね。ほどよい大きさだったんだ。
お母さんの妹のしーちゃんものんちゃんも使ったから、このお弁当箱で6人の子が育ったことになる。

お兄ちゃんがキティちゃんはちょっとかわいそうかなって思ったけど。
「お母様のお弁当箱だなんて、素敵ですね」主任のえみこ先生はそう言ってくれた。
あったかい幼稚園。廃材工作、バザー、物を大切にする心を教える幼稚園。
そんな幼稚園で、いっぱい食べて、のびのび元気な子に育ててもらったこと、お母さんは本当に良かったなって思ってるんだ。

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