{ 台所からの手紙 }2015.05.19

vol.040私があなたたちにできること

食事と心はつながっている。

そんなことを実感できるようになったのは、お母さんになってから。

あなたたちが、少しずつ、私をお母さんにしていってくれて、
お母さんとしての意識を育ててくれたの。

パパと結婚した最初の頃は、食費のやりくりに奮闘して、安いスーパーをはしごして節約料理に凝ってみたときもあった。

だけどママになって、あなたたちがおっぱいを卒業して、離乳食を卒業して、何でも食べるようになると、導かれるように自然と、私のお料理への興味も広がっていったんだよ。

栄養とか、添加物とか、もちろんレシピ本も、色んな本を読んだり、料理番組を見たり。
そういうのが楽しくて仕方ないの。

そうして段々と確立されてきた、私のお料理への考え。

*なるべく余計なものが加わっていない、新鮮な素材を使いたい。
*油と調味料は安心できるものを使いたい。
*2,3日間の食事の中で栄養バランスが整えば良い。

私のお料理で、今は育ち盛りの息子達が、健やかに、たおやかに、体と心を育て、
私のお料理で、いつかは思春期の息子達を、ホッと安心させたり、無言のエールになったり。

私はそんな優しいご飯が作れるようになりたいんだ。

今はお腹の中にいるあなたたちの弟も、
すぐに、兄ちゃん達とワイワイご飯を食べたり、
一緒にキッチンに立てるくらい大きくなって、
賑やかな食卓になるんだろうね。

優しい気持ちで時間をかけて作ったお料理でも、
プンプンあなたたちに小言を言いながら作ったお料理でも、
疲れた日に大急ぎで作った一皿料理でも、

いつでも、あなたたちの体を無意識のうちに考えて、作っている。
栄養バランスとか、調味料の量とか。

きっとそれが、いつか巣立って行くだろうあなたたたちに、私ができること。
大好きだよ、と伝えていくのと同じくらい、私があなたたちにできること。

今までも、これからも。

あなたたちのお母さんになれて、私は本当に幸せなんだ。
キッチンから笑い合う二人を眺めていると、時々鼻がツンとして、泣けてきちゃうくらいにね。

画像 台所からの手紙(岩崎さん)小