{ 台所からの手紙 }2015.07.08

vol.042 18年前の私とあなたへ

あと2年で20歳だね、早いな。


お母さんね
20歳であなたのお母さんになったの。


そのときは
ワカメを切ることも
白滝を下ゆですることも
焼く以外の魚料理もできなかった。


家事と育児の両立で精一杯。


ただ、ただおっぱいをあげて
オムツをかえて
泣けば昼夜関係なく抱きかかえて


育ててるというより
なんとか生かしているといった毎日。


友だちはみんな楽しそうにオシャレして
やりたいことをやっていて、


自分だけ狭い家の中で
大奮闘してることに涙して


心ない周りの言葉に
辛く悲しい時もあったなぁ。


それでもね、
お母さんは毎日が幸せで
あなたがかわいくて
愛おしくて…笑顔が見たい一心だった。


離乳食をもりもり食べてくれたから、
『次は何を作って食べさせてあげようかな』って。
料理が楽しくなってきて
美味しい~!の笑顔、
それを見るだけで胸がいっぱいになった


幼稚園でも小学校でも


頬っぺたいっぱいに
ご飯を頬張って、
おしゃべりと、食べるのと
大忙しのあなた。


その小さな身体が
元気に大きくなるようにと
一日、一日、積み重ねてきました。


あの小さかった身体が
まさかこんなに逞しくなるとはね。


あのときの涙も迷いもすべて
報われた気がします。

清水梨絵

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