{ 台所からの手紙 }2013.05.05

Vol.027 妊婦生活 人生最高の体重

君たちは、自分のお宮参りの写真を見るといつも言うよね。
「かーさん・・・太ってる・・・」

ひどいつわり生活が終わると同時に訪れたのは、とても楽しい妊娠生活だった。
母親学級で仲良くなった妊婦さん達と、マタニティースイミングに通うことにしたのだ。
ただ、そこのスイミングスクールは妊婦だからといって優雅に水に浮いているなんてことはなく、がんがん泳がせるところだった。

元来の運動神経のにぶさで平泳ぎしかできず、クロールなんて10メートル進むとだんだん沈むという特殊泳法を持つ私は、正直後悔をした。
でも、妊婦仲間と通うスイミングスクールはとても楽しく、おかげで、クロールが上手くなり、背泳ぎもバタフライも少しはできるようになった。

そして、もうひとつの楽しみは、このスクールの近くには美味しい食べ物屋さんがいっぱいあるのだった。スクールの終わった後のランチは、至福の時間だ。
とんかつ屋さんは衣がさっくりでご飯もお味噌汁も美味しく、その近くには和菓子屋さん。
大福の中に生クリームが入っているという、君達も好きな大福だ。
生クリーム泡だてていちごムースも自分でよく作っていた。

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最近の妊娠生活の情報ではきちんと体重管理をし身体に良いものを取るということが、あたりまえのようになっているけど、大昔とは言うまいが私の頃にはまだ「妊婦はいっぱい食べろ」なんていう風潮もあり、つわりの反動もあってか、好きなものを好きなだけよく食べていた。
妊婦の栄養指導も病院でちょっとお話しを聞く感じだった。

結局、体重は15キロ以上増え、さすがに産科の先生に注意される始末。
産んだ後も、君たちが指摘する容姿になってしまったんだ。
アレルギーを気にして卵は食べなかったにも関わらず、バランスの悪い食生活だったと今でも思うよ。食べ物が君と私の身体を作ること、もっと真剣に考えればよかったと後悔してる。お気楽な妊婦だったのだ。だって、その後には乳腺炎にもなったしね。

もし、君たちが母になるのなら、かーさんは押しつけがましくなく、さりげなく、
あの人生最高の体重だった産後の私の写真をプレゼントするよ。