~「食卓から笑顔」を
提案します~


我が家の味を作る=どこにもない自分の家の味の歴史。
それが思い出になり、次の世代へ繋ぎます。
今、加工品が多すぎて、隣の家も、その隣の家も、同じ味の記憶になってしまいそうです。
料理は一生もの。自転車と同じ。一度美味しい(自分の家の味)ができればまずくなることはない。
各家庭で、塩加減、酢加減、ひとつとっても違いがある。
薄味が美味しいおうちと濃い味がおいしいというおうちと。
美味しいは各家庭の記録なんですね。

家族の成長と共に、「我が家の味」ができあがっていく。
それは自分の代からスタートするのかもしれない。
もうすでにおばあちゃんから続く味がある。
記憶に残る味を作り、繋いでいってほしいと思います。


娘への手紙

君を産んだ産院からもどり二人っきりになったとき、小さな身体を抱きしめた。
その時に言いようもない感情が溢れてきたのを強烈に覚えている。

「命を繋ぐ」

親としての責任感なんだろうか、母性が溢れてきたのだろうか、
とにかくこの命をなんとしても守らなければいけないのだと思った。
大きくなるにつれて楽しい思いと同時に
病気をしたり怪我をしたりいろいろな心配をも運んでくれた君に、
私が毎日してきたことは、清潔な寝床と衣類と温かい食事を用意することだった。
それは特別な料理ではなく、どこにでもあるありふれた家庭料理だ。

旬の食材があったり、
季節毎の料理を作ったり、
毎日のお弁当も運動会や遠足の日のお弁当も、
いつの間にか我が家流の食卓ができあがっていた。
「自分で作る料理がかーさんの味になっている」と君が言う。
「かーさんのごはんが食べたい」と君が言う。

何よりの褒め言葉は、産院から帰ってきて君を抱きしめた日から繋がっていた。

From Kitchen代表 福島利香