{ 台所からの手紙 }2013.06.09

Vol.029 おばあちゃんの記憶 ちくわのチャーハン

おばあちゃんの記憶
あなたたちが小さい頃、ふと思いたって作った「ちくわのチャーハン」。
このちくわのチャーハンは、ママが子供の頃に、ママのお母さん・・・あなたたちのおばあちゃんが、休みの日の昼ごはんに何度となく作ってくれてたもの。
ママは子供の頃、このちくわのチャーハンが飽きるほど出てきたからか、このチャーハンが食卓に出てくるとがっかりしたのを覚えている。

パパと結婚して、あなたたちが産まれて、このちくわのチャーハンをふと思い出し、あなたたちに作って出した。
すると、一口食べるなり、「このチャーハン美味しい!」と目を輝かせながら言ってくれたね。
まさかそんな喜んでくれると思いもしなかったの。
具も冷蔵庫によくあるもので、飾りっ気もないシンプルでやさしい味付け。

それからは、ママはこのおばあちゃんの「ちくわのチャーハン」を、簡単に済ませたい時の一品として、あなたたちにたまに出すようになった。
今となっては、ママもママにとって「おふくろの味」となってあなたたちと美味しくいただいています。

おばあちゃんが空の風となってずいぶんたつんだね。
最近は、あなたたちの口からおばあちゃんの話をすることもずいぶん少なくなってきた。
あなたたちも小さかったし、こんな風にあなたたちの記憶の中から、おばあちゃんとの思い出は少しずつ薄れていくのかもしれない。
でも・・・
こうして、おばあちゃんの「ちくわのチャーハン」は、あなたたちの舌の記憶として、あなたたちの中におばあちゃんが生き続けている・・・。
ママはそれがとっても嬉しいんだ。

いつか、あなたたちが大きくなって、結婚して子供が産まれて・・・
あなたたちが同じようにこのちくわのチャーハンを作りながら、
「これはあなたたちのひいおばあちゃんやおばあちゃんのチャーハンなんだよ(^^)」なーんて子供に話してたら嬉しいな・・・。
ママの作ったものが、あななたちの思い出を作り、栄養となって身体を作り、そしてあなたたちの子供の身体を作っていくの。思い出を作っていくの。

毎日作る料理だから、なかなかそんなことを意識はしないけれど、ママのお母さんがいてママの思いはずっと続いているの。ママの料理を食べて元気に大きくなってほしいから。

そんなことを密かに思いながら、パパが夕飯いらない今日の夕飯に作った、ちくわのチャーハン・・・。
あなたたちと3人で「いただきます♡」


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