{ 働き方と家族の食卓 }2019.07.24

寝て、食べて、働く|コラム:浜田 沙織

From Kitchen LABOの浜田です。
私はワーク・ライフバランスという会社で
働き方改革を仕事にしています。
働く時間が長く、生産性は低く、
少子高齢化でますます人手不足になり、
子どもを育てにくく、親の介護に苦しむ…、
この悪循環を止めて好循環に変えていく
ミッションです。
いろんな場所に行き、多くの働く人と一緒に、
どのように働きたいか、どのように生きたいか、
考え実践しています。

労基法が70年ぶりに大改正された今年2019年は、
働き方改革をやるのだと、前向きに考える人がぐぐっと増えました。
でも、「やらねば!」となってしまって、
「私は何のために働き方改革してるんだっけ?」と
目的を見失ってはもったいない。

最近よく聞かれるのは、
「働き方改革したらどんなライフがありうるか教えてほしい」
「家に帰ってまず何をしたらいいんですか?」
という声です。

いくら寄り添っても他人が答えを出せるものではありません。
でも、自分で考えるための準備なら一緒にできるかも。

まず、よく寝ること。
日本人の睡眠時間は男女ともに短く、OECD加盟国の中で
最も短いことがわかっています。
睡眠時間が短いと集中力が削がれ、
大事なライフについて考えることができません。
私自身、夜勤が続く働き方をしていた頃は
ライフプランなんてそっちのけでした。
授乳にまじめすぎたときも、結局フラフラだった。
何をするにもまずは、寝てから。

つぎに、自分の体の声を聞くこと。
ちゃんと食べることや、お風呂に入ることや、
家族と会話するとか、虫歯を治すとか。
心身の健康につながるアクションをとって
整えていくことは、個人の趣味関心によらず
やっぱり必要なことだと感じます。

ほんとうは、働くよりも先に、
寝たり食べたりが安定していないと
うまくいかないと思うのです。

2016年に亡くなった佐藤初女さんは、
「食はいのち」と語られていました。
忙しい現代に、なんだかうまくいかないとき、
立ち戻るものなのかなと私は思っています。
仕事が、子育てが、と悩みを優先しそうにもなるけれど
まずは寝る。食べる。