{ 女性のからだとごはん }2019.09.09

油を賢く知って健康になろう|コラム:日比野 真里奈

「油は体を作る大切な栄養素」


あなたは「脂肪」や「油」と聞いて、体に悪いというイメージを持っていますか?
栄養学をきちんと落とし込めていなかった20代前半の私は、正にその状態でした。そして、世間一般にも、その風潮が強かったように思います。

最近ではテレビや雑誌でも「油」の特集を目にします。

私たちの身体をつくる60兆個の細胞は、その1つ1つの外側が「細胞膜」で覆われています。その細胞膜を作っているのが脂質で、肌を作る細胞、臓器を作る細胞、脳を作る細胞に、「脂質」が大きく関わっているのです。
ですので、油は太る!と思い込んでカットしてしまうのは危険です!
美容面では乾燥肌の予防や、髪のツヤを守ります。
また、体にとって重要なホルモンの材料にもなるので、完全に抜いてしまうことは妊活にも大きなリスクになります。

「増やす、減らす、やめる油」


妊活に、家族の健康におススメしたい「増やす油」は、青魚(サバやサンマ)やアマニ油からとれるオメガ3系の油です。

体内の炎症を抑え、卵子や精子の健康の向上が期待でき、妊娠率にも影響するという報告があります。最近では、一流スポーツ選手も油に着目し、著書も出ている程です。
注意点として、オメガ3のえごま油やアマニ油は非常に酸化しやすいため、
加熱せず、サラダやカルパッチョにかけて頂いて下さい。

次に、「減らしたい油」のオメガ6、通称サラダ油です。
オメガ6の油は人の体内で作り出すことのできない「必須脂肪酸」ですが、サラダ油や植物油を、私たち現代人は多くとりすぎています。これらの油の摂りすぎは身体の炎症反応を強めてしまうため、アトピーや風邪、花粉症などの
症状を強く引き起こしてしまいます。

最後に「やめる油」であるトランス脂肪酸です。

トランス脂肪酸は、人工的につくられた不自然な油です。
分解してエネルギーとして利用できない為、身体に大きな負担がかかります。
また、老化やがんの原因にもなる「活性酸素」を作り出してしまう為、それが身体の酸化⇒卵子の酸化へと繋がります。
また、摂りすぎると成分の多くが脂質で作られている「脳」へ影響が出たり、卵巣の機能低下、流産や子宮内膜症のリスクが上がるなど、知らないでは済まされない身体への悪影響があります。

諸外国では規制がありますが、日本はまだ「企業努力」の段階です。
マーバリンやスナック菓子、菓子パンなど、加工食品に多く使われています。

加工食品の食品表示には、「加工油脂」や「ショートニング」と記載されており、消費者の我々が賢く買い物をする必要があります。


「知って得する油の保存方法」


コンビニやスーパーに並べられている揚げ物は夕飯のおかずなど、忙しいママにとっては便利な商品です。しかし、揚げて空気に触れ、時間がたつほど油は酸化してしまうデメリットがあります。油の酸化⇒体の酸化です。
揚げ物を買う際は出来立てを選び、できるだけ家庭での揚げたてのおいしさを楽しんで下さいね。

大容量の油も、蓋を開ける機会が多い程酸化が進みます。私は小さな油を買い、使い切ったら買い足すようにしています。
また油は光や熱にも弱いのでコンロの近くに置かず、収納場所は暗く、涼しい場所がおススメですよ。

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日比野 真里奈

〈資格〉
管理栄養士
健康運動指導士
妊産婦食アドバイザー
乳幼児食指導士

〈経歴〉
大量給食施設にて現場管理や管理栄養士業務
高齢者福祉施設で介護予防事業や入所者様の栄養アセスメント業務
病院にて栄養指導(主に生活習慣病や腎臓病、透析など)

〈フリーランスとして〉
奈良「ぱーぷるママ」アプリにて幼児食コラム掲載中
「ワタコレ」妊活イベントにて個別妊活食相談実施
mamanokoサイトにて商品アドバイザー
奈良市育児サークルにて離乳食と産後ママの健康講座開催