{ 女性のからだとごはん }2019.09.28

血糖値を管理して妊娠糖尿病を予防

だれにでもなる可能性のある妊娠糖尿病


妊娠糖尿病とは、妊娠中に初めて発見される糖代謝異常です。妊娠前に糖尿病を発症している場合は妊娠糖尿病には含まれませんが、近年若い日本人女性に急増しているそうです。

日本人はもともと糖尿病になりやすい民族で、女性は妊娠するとホルモンバランスの変化とエネルギーを赤ちゃんに優先的に送るホルモンの影響により、血糖値を下げるホルモンである「インスリン」の効果を抑えてしまうのです。
両親や祖父母が糖尿病を持っていると、遺伝的、体質的に血糖値を抑えることができにくい体質の場合もあります。また、もともと肥満傾向の方も、妊娠糖尿病になりやすい傾向にあります。

妊娠糖尿病の特徴は、出産後には治る傾向があるということです。しかし、妊娠糖尿病になった妊婦さんは将来糖尿病になるリスクが高まるため、注意が必要です。妊娠糖尿病になると、お母さんに与えるリスクとして、早産や流産、羊水過多症、妊娠高血圧症候群などがあります。

胎児の健康にも影響

この病気の恐ろしい所はお母さんだけでなく、お腹の赤ちゃんにも影響を与えてしまう事です。
・巨大児・低血糖・子宮内死亡
など、赤ちゃんにとっても大きな影響を与え、産まれてからも肥満児になりやすかったり、お母さんの難産や帝王切開リスクも上げる可能性があります。妊娠前から血糖値が高かった場合は流産のリスクも上がりますし、赤ちゃんの将来の糖尿病、メタボリックシンドロームにも関係します。
 それらの怖い病気を防ぐ為、妊娠前からできる事はたくさんあります。



血糖値が乱れる原因とは?


糖質はタンパク質や脂質に比べて吸収が早いため、優れた栄養源です。
裏を返せば、短時間で血糖値を上げてしまいます。菓子パンやおかしをご飯の代わりにすれば、砂糖がたっぷり使われている程血糖値は急上昇しますし、欠食で空腹が続いた体では次に食べる食事から必要以上に糖質が吸収され、太りやすく、血糖値も不安定になってしまいます。

また、早食いも血糖値の急上昇を招きやすい為注意が必要です。最低でも一口
20回は噛むように意識しましょう。

血糖値が乱れる原因として、食生活は大部分を占めます。血糖値が安定しない事で、イライラや食後の眠気、倦怠感、頭痛といった症状を招く事もあります。
会社で健康診断などを受ける際は毎年の血糖値の変化についてきちんと目を通す、お仕事をされていない方はご自身で血液検査を毎年受けるなど、妊娠する前から自分の身体を知る事は将来の妊娠、出産へ向けた多くのメリットがありますよ。

ーーーーーーーーーーーーーーーーー
日比野 真里奈

〈資格〉
管理栄養士
健康運動指導士
妊産婦食アドバイザー
乳幼児食指導士

〈経歴〉
大量給食施設にて現場管理や管理栄養士業務
高齢者福祉施設で介護予防事業や入所者様の栄養アセスメント業務
病院にて栄養指導(主に生活習慣病や腎臓病、透析など)

〈フリーランスとして〉
奈良「ぱーぷるママ」アプリにて幼児食コラム掲載中
「ワタコレ」妊活イベントにて個別妊活食相談実施
mamanokoサイトにて商品アドバイザー
奈良市育児サークルにて離乳食と産後ママの健康講座開催