{ 女性のからだとごはん }2020.02.11

知っておくべき妊娠中の身体の変化と食事「初期」

「妊娠初期の身体とホルモンの変化」


妊娠は、待ちに待った嬉しい出来事ですよね。妊娠前からの健康管理も大切ですが、赤ちゃんに栄養を届ける妊娠中も、気をつけるポイントを押さえて赤ちゃんの成長を家族で守りましょう。
妊娠2~4カ月までの間を妊娠初期と呼びます。生理が来なくておや?と思う頃にはすでに妊娠4週目に入っている事でしょう。妊娠を継続させる為に黄体ホルモンが急激に増加し、眠気が強い、疲れやすいと感じる人が多くなります。
妊娠4カ月頃になると、お母さんには赤ちゃんを守るための脂肪が付き始め、ふっくらとしてきます。赤ちゃんは胎盤が完成し、へその緒から栄養を摂取するようになります。


「妊娠初期に重要な栄養素」


赤ちゃんの神経管閉鎖障害(二分脊椎や無脳症)を予防する為、妊娠前からサプリメントを利用して葉酸をしっかりと摂取する事が厚生労働省から推奨されています。そして、食事でも葉酸を意識しましょう。葉酸だけにスポットが当たりがちですが、実は葉酸とビタミンB12はセットで摂る事によって葉酸の合成を助けます。
 
ビタミンB12は造血に関わっており、葉酸と協力してヘモグロビンの生成をサポートしています。驚く事に、赤ちゃんの脳の神経は妊娠6週目にほぼ出来上がってしまうというのです。
妊娠の可能性が少しでもあるのなら、葉酸やビタミンB12を食事に取り入れるようにしましょう。葉酸と一緒にビタミンB12が配合されたサプリメントを摂る事も良い選択です。
 
◆葉酸を多く含む食材
菜の花、ほうれん草、小松菜、ブロッコリー、いちご、枝豆 など
◆ビタミンB12を多く含む食材
牡蠣、アサリ、サンマ、サバ、はまぐり、オイルサーディン など


「妊娠中に特に気を付けるべき感染症」


妊娠中は免疫力が弱まる為、風邪や感染症にかかりやすくなります。
また、流産や死産に繋がる可能性のある、妊娠中に気を付けたい食べ物もあります。

◆リステリア菌による食中毒
ナチュラルチーズ、生ハム、スモークサーモンは妊娠中は基本的に
控えるようにしましょう。(プロセスチーズはOKです)

◆トキソプラズマ(寄生虫)
猫の糞や加熱不完全な豚肉から感染。
生肉を食べない、ナチュラルチーズを食べない、畑仕事やガーデニングの
時は素手で土を触らないなど注意が必要です。

その他にも、生や十分に加熱されていない肉にはO-157の危険があります。牡蠣などの二枚貝に存在するノロウイルスにも注意しましょう。お刺身や生卵、サラミなども気を付けたい食品です。


「妊娠中のカフェイン、アルコールについて」

 
妊娠中にカフェインを控えた方が良い理由は、赤ちゃんはカフェインを処理する能力が低いからです。大人の20倍の時間がかかるとも言われています。
過剰なカフェインは血管を収縮させ、子宮への血流が悪くなりますので、
コーヒーや紅茶は1日1~2杯程度にし、カフェインレス商品を選ぶようにしましょう。最近のカフェインレス商品はしっかりと風味が感じられ、美味しいですよ。(緑茶やほうじ茶、コーラにもカフェインが入っています。)

また、子宮が収縮してしまうなど、ハーブティーにも注意が必要なものがあり、カモミール、セントジョーンズワート、アロエ、ハイビスカスティーなど、有名な物もありますので、飲む前に確認しておくと安心です。

アルコールについては、妊娠期の飲酒は「胎児性アルコール症候群」を引き起こす可能性があり、奇形や発育不全に繋がる可能性がありますので絶対にやめましょう。
ノンアルコール飲料を選ぶ際は、糖質の摂りすぎや冷えに注意してください。


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日比野 真里奈

管理栄養士
健康運動指導士
妊産婦食アドバイザー
乳幼児食指導士

大量給食施設にて現場管理や管理栄養士業務
高齢者福祉施設で介護予防事業や入所者様の栄養アセスメント業務
病院にて栄養指導(主に生活習慣病や腎臓病、透析など)を経て
現在はフリーランスとして
奈良「ぱーぷるママ」アプリにて幼児食コラム掲載中
「ワタコレ」妊活イベントにて個別妊活食相談実施
mamanokoサイトにて商品アドバイザー
奈良市育児サークルにて離乳食と産後ママの健康講座開催