{ 女性のからだとごはん }2020.04.01

いよいよ妊娠後期

妊娠8~10カ月(28週~39週)までの間を妊娠後期と呼びます。妊娠28週頃の赤ちゃんは約1㎏程の大きさになり、胎動が激しくなります。
ママは大きくなった子宮が胃を押し上げるように圧迫されるようになるので、食事をするのが辛く感じたりすることも。息切れやお腹の張りを感じたら一休みしましょう。

赤ちゃん自身がぐんと大きくなる妊娠後期の必要エネルギー量は妊娠前よりも+450kcal。ご飯やタンパク質、野菜、果物を中心に、バランス良く増やす事が大切です。胃が苦しくて一回の食事量が減る場合は、4~5回食にしてこまめに補給しましょう。桜エビや枝豆を入れたおにぎり、ゆで卵、具沢山の味噌汁や野菜のピクルスなど、赤ちゃんの為の栄養を意識しましょう。

後期特有のマイナートラブルは?


・足のつり
 寝ている時にこむら返りが起こるママは、マグネシウム不足の可能性があります。カルシウムとマグネシウムは「兄弟ミネラル」と呼ばれ、体内で働く為のバランスが大切です。妊娠中はマグネシウムが不足しがちになるのに加えて、骨の為に!とカルシウムばかり多く摂っていると、マグネシウムが不足しアンバランスが起こります。マグネシウムを多く含む食品は納豆やアーモンド、木綿豆腐などですので、意識してとるようにしましょう。


・むくみ
妊娠中は血液など体内の水分量が増え、大きくなったお腹により足の付け根が圧迫される為むくみが起こりやすくなります。また、食事量が増えるため塩分オーバーになりやすいです。余分な塩分を外へ出してくれるカリウムが豊富な野菜、芋、海藻、果物もしっかりと食べましょう。
タンパク質の不足もむくみを生じやすいので、毎食意識して。


・貧血
赤ちゃんの脳神経の発達に「鉄」が必要です。
妊娠中期~後期にかけて、妊娠前よりも倍の鉄分が必要になりますし、出産時の出血や産後の授乳の為にも鉄はたっぷりと摂っておきたいミネラルです。
この鉄分の大半は優先的に赤ちゃんの成長に使われるので、産まれてきた赤ちゃんは生後半年間は貧血の心配はありませんが、ママは奪われた鉄分を補うために意識して鉄を補給する必要があります。
吸収率の良い動物性のヘム鉄(赤身の肉や魚、アサリ、卵など)の他に、非ヘム鉄(小松菜や切干大根、豆)も毎食取り入れましょう。
非ヘム鉄は、ビタミンCと一緒にとると吸収率がアップします。レモンを絞ったり、生キャベツやパプリカ、ブロッコリーなどを用意しましょう。

赤ちゃんの脳がぐんぐん育ちます


 脳の神経はお腹の中にいる妊娠2ヵ月目ごろから作られますが、妊娠20週頃から赤ちゃんの脳は急速に発育します。DHAの豊富なサバ、イワシ、サンマ、鮭などを積極的に食卓に並べましょう。これらの魚は水銀の心配はありません。


体重管理もラストスパート!


臨月を迎えると、赤ちゃんが下に降りてくる、羊水量が減るといった変化から胃の苦しさがなくなり、開放感から一気に食べてしまう事も。急に血糖値が上昇すると、妊娠糖尿病を招く事もあります。これまでがんばってきた体重管理を、出産まで継続させましょう。赤ちゃんとの対面はもうすぐです!(^▽^)

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日比野 真里奈

管理栄養士
健康運動指導士
妊産婦食アドバイザー
乳幼児食指導士

大量給食施設にて現場管理や管理栄養士業務
高齢者福祉施設で介護予防事業や入所者様の栄養アセスメント業務
病院にて栄養指導(主に生活習慣病や腎臓病、透析など)を経て
現在はフリーランスとして
奈良「ぱーぷるママ」アプリにて幼児食コラム掲載中
「ワタコレ」妊活イベントにて個別妊活食相談実施
mamanokoサイトにて商品アドバイザー
奈良市育児サークルにて離乳食と産後ママの健康講座開催