{ 女性のからだとごはん }2020.06.13

誰でもなる可能性がある、妊娠高血圧症候群

妊娠高血圧症候群とは、妊娠中に起こる代表的な合併症です。妊娠中に何らかの原因で高血圧になるか、高血圧に加えタンパク尿が出る病気の総称であり、妊娠20週~分娩後12週に起こります。原因としては、はっきりとした理由はまだわかっていないようですが、妊娠初期に胎盤の形成がうまくいかない、胎盤から異常な物質が作られ全身の血管に障害を起こすためではないかとの考え方が有力です。
リスク要因としては、肥満や高齢出産、多胎妊娠、家族に高血圧の人がいるなどが上げられます。症状が出やすくなるのは一般的に妊娠8ヶ月以降です。
赤ちゃんへの影響としては低出生体重児、早産、ママへの影響には脳出血や肝臓、腎臓の機能障害などがみられますので、急なむくみがある場合には特に注意し、お医者さんに相談しましょう。

今日からできる!減塩のポイント

 
過度な塩分制限はママの血液量を減少させるため、かえって高血圧を悪化させる可能性があると言われています。日本人は塩分過多になりやすい為、1日の目安量は7.5gとされています。ラーメンのスープを飲み干すと簡単に超えてしまいますので、スープは残すようにしましょう。
また、注意したいものには加工食品や市販の食品があります。これらには塩分の他に脂肪や糖分も多い場合がありますので、商品の裏の成分表示をチェックする癖を今のうちから習慣化しておけば、産後、育児にも役立ちます。
 
その他にも
・出汁を効かせて塩分を控えめにする
 プラスチック容器に出汁パックと水を入れ、冷蔵庫で一晩寝かせれば簡単に出汁がとれます☆
・レモン果汁やお酢で酸味を効かせる
・汁物は野菜を具沢山にして汁を減らす
・ショウガやにんにくなどの薬味を利用する
・ソースや醤油など、かけるより小皿に出してそこから付けて食べるなど、工夫するポイントは沢山あります。

調味料の知識


大さじ1の塩の塩分量を知っていますか?なんと、18gもあるのです!
大さじ1の濃口醤油は塩分量2.6gと、塩分を大幅に減らせる事がわかります。
その他に、減塩醤油は0.9g、中農ソース1g、ウスターソース1.4g、ケチャップ0.5gと、塩よりも塩分を抑えやすい調味料と言えます。

「ビタミン、ミネラル、カリウムを取り入れる」
生野菜や果物に含まれるカリウムは、利尿作用により体内のナトリウム(塩分)を外に出してくれる働きをします。カリウムが制限されていない場合は、野菜、海藻、芋類、果物なども毎日積極的に摂るようにしましょう。

妊娠高血圧症候群は出産を終えると軽快、全快すると言われています。
しかし、将来高血圧になる可能性が高いとも言われていますので、油断は禁物。
家族の高血圧を予防する為にも、心の片隅に「減塩」の意識を置いて食事を楽しみましょう。

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日比野 真里奈

管理栄養士
健康運動指導士
妊産婦食アドバイザー
乳幼児食指導士

大量給食施設にて現場管理や管理栄養士業務
高齢者福祉施設で介護予防事業や入所者様の栄養アセスメント業務
病院にて栄養指導(主に生活習慣病や腎臓病、透析など)を経て
現在はフリーランスとして
奈良「ぱーぷるママ」アプリにて幼児食コラム掲載中
「ワタコレ」妊活イベントにて個別妊活食相談実施
mamanokoサイトにて商品アドバイザー
奈良市育児サークルにて離乳食と産後ママの健康講座開催