{ 食にまつわるお話 }2020.07.11

おいしいスイカの見分け方

夏になると食べたいもの=スイカ。冷蔵庫に入り切らないのでスイカは小玉を買ってしまう、とか、カットスイカでじゅうぶん、という方も多いと思いますが、やはりスイカは大玉スイカがおいしいですよね。最近は小玉でも果肉がしっかりとしていて甘い品種が増えていますが、やはり大玉スイカにはかないません。ビタミンCやリコピンが豊富で機能性もじゅうぶんなスイカ、今年は大玉スイカを食べてみませんか?

意外と貯蔵の効くスイカ


6月、熊本から出荷が始まり、鳥取、千葉、長野県、山形県と産地が移り変わっていくスイカ。栽培方法も、ハウスからトンネル、露地栽培と変わっていきます。スイカは意外と貯蔵が効くので、豊作で価格が下がってきたらJAの倉庫で貯蔵なんてことも行われています。さらに、スーパーのバックヤードでもスイカが貯蔵されていることもあります。なんてことはあまり消費者には知られていません。

実はスイカもトマトやきゅうりと同様、いつ収穫されたかわからない作物のひとつ。まるごとのままなら数週間置いておけるのは、硬い皮のおかげかもしれません。ただ、なりもとのツルは劣化してポロンと落ちてしまいますから、逆に元気なツルがついているものは、鮮度がいいとも言えます。とは言え、カットスイカが全盛の昨今では、なりもともツルも確認しようがないので、やはり消費者には鮮度を確認する方法はないのかもしれませんね。


スイカ農家に教わったスイカの切り方。横半分ではなく縦半分に切ります。中心部から放射状に切って、おいしいまんなかの部分を皆に行き渡るようにカットしていきます。ほんとにおいしいから試してみて!!

おいしいスイカは叩かずなでて見つけよう


直売所などでとても安価なまるごとスイカが売られていることがあります。これらのスイカは市場に出せなかった規格外品が多いため、形がイマイチとか、スイカの色あいが薄かったり、お尻のあたりが黄色いままだったりします。

黄色いところはグラウンドマークと言って、スイカが地面についていたところです。スイカの黒と緑の縞模様は、おひさまにしっかり当たることでクッキリと出てくるため、地面についているところが黄色くなっていたり、色合いが全体的に薄いものはあまりおいしくありません。

また、グラウンドマークが残っているのは、農家がちゃんとおひさまに当たるようにスイカを回していなかった、という証拠でもありますから、味的にはやはりイマイチです。でも安価なのは魅力的。ということで、おいしいスイカは以下のようにして見分けましょう。

まず、並んでいるスイカの中からできるだけグラウンドマークがついていなくて色がクッキリした変形していないものを選びます。そしてスイカの表面をさらりとなでます。黒と緑の縞模様に凹凸があるものとないものがあります。平坦でのっぺりしているものはあまり味がのっておらず、凹凸がくっきりしているものほどおいしいスイカです。

売ってるスイカを叩くと嫌がられるかもしれませんが、さらりとなでるくらいならお店の人も許してくれそう。この方法でおいしいスイカが見分けられますから、今年の夏はぜひ試してみてくださいね。

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コラム 手島 奈緒

株式会社大地(大地を守る会・現オイシックス・ラ・大地)で編集・広報・青果物仕入れなどを担当し、
おいしいものばかり食べていたせいかおいしいものが大好き。
2010年よりフリーランスライターとして農と食についての情報を発信中。

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