{ 食にまつわるお話 }2020.12.13
ブロッコリーはビタミンC、ビタミンK、野菜にしてはタンパク質の含有量が多いため、積極的に食べたい野菜のひとつ。お弁当にも入れやすく、茎も食べられ一株で二度おいしい便利な野菜でもあります。栄養価が高く食べやすいブロッコリーは、コロナ対策としても、風邪対策としても、たくさん食べておきたいですね。
野菜価格(https://onedannote.com/369/ おねだんノートより)
さて、以前働いていた会社でブロッコリーの食べ比べをしたことがありました。
集まったブロッコリーは15個ほど。品種と生産者別に厳密な食べ比べをしましたが、6個目くらいから参加者全員の顔が苦痛に歪んできました。味付けも何もせず、ただブロッコリーを食べるのはかなりむずかしいものです。
最初に出た結論→「ブロッコリーは一度にたくさん食べられない」
とは言え、作り方や品種により、食味がかなり違うことを発見しました。肥料が多いもの、ネコブ耐性品種が際立っておいしくなかったのです。肥料が多いとどんな野菜でもおいしくはありませんが、ネコブ耐性品種がおいしくないというのは大きな発見でした。
ネコブ病とは、アブラナ科の根っこにコブができる病気です。ネコブセンチュウという虫によってコブができるのとはまた別で、この病気が出るようになると、基本的には土壌消毒剤で対応します。アブラナ科野菜を連作することで発生しますから、連作を避ける必要があるのですが、単一作物を大規模に作付けする産地ではままなりません。そういう産地では、土壌消毒&ネコブ耐性品種を選択されているのではないかと思います。
以前わたしが働いていた会社の契約条件のひとつに「土壌消毒剤の禁止」がありました。したがって、アブラナ科を作付けしているする生産者は、連作を避け、定植時期を遅らせるなどでネコブの発生を抑えていました。しかしそれでもうまく行かないため、ネコブ耐性品種を選択していた方がいたのでしょう。
【スルフォラファンはブロッコリー、カリフラワー、キャベツなどに含まれる辛み成分で、1990年代のはじめに米国ジョンズ・ホプキンス大学のタラレー博士らによって、がん予防に効果があることが発見されました。そのほか、解毒作用、抗酸化作用などがあり、有用な物質であることも明らかにされています。】ブロッコリースプラウトも魅力的!!!
https://www.qst.go.jp/site/qms/1669.html (国立研究開発法人 量子化学技術研究機構より)
びっくりしたのは、後日、ブロッコリー食べ比べの結果を報告したところ「ネコブ耐性品種はおいしくないから作ってないよ」と言う人がほとんどだったこと。生産者はネコブ耐性品種がおいしくないことを知っていたのです。品種による味の違いについて、深く考えさせられた出来事でした。
ブロッコリーは初期に肥料をよく吸収する作物です。初期の木の生育が辛いの大きさを決めますから、肥料は多めで栽培する人が多いのです。結果、旺盛に生育している間のブロッコリーは食味が良くないことが多く、わたし自身は「ブロッコリーがバンバン肥料吸ってます」という季節(3月から11月まで)はブロッコリーを食べません。12月に入り時々花蕾が凍っちゃってますよ、というちょうど今ごろからブロッコリー本来のおいしさが楽しめるようになるのです。
ブロッコリーがおいしいのはまさに「今」!!! たんまり食べて健康維持に役立てましょう! なお、ブロッコリーは劣化しやすい野菜のため、購入したらその日のうちに茹でてしまいましょう。栄養価の損失を抑え、おいしくいただくことができます。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
コラム 手島 奈緒
株式会社大地(大地を守る会・現オイシックス・ラ・大地)で編集・広報・青果物仕入れなどを担当し、
おいしいものばかり食べていたせいかおいしいものが大好き。
2010年よりフリーランスライターとして農と食についての情報を発信中。
WEB ほんものの食べものくらぶ https://hontabe.com
BLOG ほんものの食べもの日記 https://hontabe.blog.fc2.com/
ブロッコリーがおいしい季節になりました
ブロッコリーが安くなっています。一個100円とか、驚愕の数字ではありませんか? 昨年のちょうど今頃、ブロッコリーは150円くらいだったようですが、わたしの感覚ではブロッコリーは200円。ブロッコリーって安いんだなーとびっくりしました。ブロッコリーはビタミンC、ビタミンK、野菜にしてはタンパク質の含有量が多いため、積極的に食べたい野菜のひとつ。お弁当にも入れやすく、茎も食べられ一株で二度おいしい便利な野菜でもあります。栄養価が高く食べやすいブロッコリーは、コロナ対策としても、風邪対策としても、たくさん食べておきたいですね。
野菜価格(https://onedannote.com/369/ おねだんノートより)
さて、以前働いていた会社でブロッコリーの食べ比べをしたことがありました。
集まったブロッコリーは15個ほど。品種と生産者別に厳密な食べ比べをしましたが、6個目くらいから参加者全員の顔が苦痛に歪んできました。味付けも何もせず、ただブロッコリーを食べるのはかなりむずかしいものです。
最初に出た結論→「ブロッコリーは一度にたくさん食べられない」
とは言え、作り方や品種により、食味がかなり違うことを発見しました。肥料が多いもの、ネコブ耐性品種が際立っておいしくなかったのです。肥料が多いとどんな野菜でもおいしくはありませんが、ネコブ耐性品種がおいしくないというのは大きな発見でした。
ネコブ病とは、アブラナ科の根っこにコブができる病気です。ネコブセンチュウという虫によってコブができるのとはまた別で、この病気が出るようになると、基本的には土壌消毒剤で対応します。アブラナ科野菜を連作することで発生しますから、連作を避ける必要があるのですが、単一作物を大規模に作付けする産地ではままなりません。そういう産地では、土壌消毒&ネコブ耐性品種を選択されているのではないかと思います。
以前わたしが働いていた会社の契約条件のひとつに「土壌消毒剤の禁止」がありました。したがって、アブラナ科を作付けしているする生産者は、連作を避け、定植時期を遅らせるなどでネコブの発生を抑えていました。しかしそれでもうまく行かないため、ネコブ耐性品種を選択していた方がいたのでしょう。
【スルフォラファンはブロッコリー、カリフラワー、キャベツなどに含まれる辛み成分で、1990年代のはじめに米国ジョンズ・ホプキンス大学のタラレー博士らによって、がん予防に効果があることが発見されました。そのほか、解毒作用、抗酸化作用などがあり、有用な物質であることも明らかにされています。】ブロッコリースプラウトも魅力的!!!
https://www.qst.go.jp/site/qms/1669.html (国立研究開発法人 量子化学技術研究機構より)
びっくりしたのは、後日、ブロッコリー食べ比べの結果を報告したところ「ネコブ耐性品種はおいしくないから作ってないよ」と言う人がほとんどだったこと。生産者はネコブ耐性品種がおいしくないことを知っていたのです。品種による味の違いについて、深く考えさせられた出来事でした。
ブロッコリーは初期に肥料をよく吸収する作物です。初期の木の生育が辛いの大きさを決めますから、肥料は多めで栽培する人が多いのです。結果、旺盛に生育している間のブロッコリーは食味が良くないことが多く、わたし自身は「ブロッコリーがバンバン肥料吸ってます」という季節(3月から11月まで)はブロッコリーを食べません。12月に入り時々花蕾が凍っちゃってますよ、というちょうど今ごろからブロッコリー本来のおいしさが楽しめるようになるのです。
ブロッコリーがおいしいのはまさに「今」!!! たんまり食べて健康維持に役立てましょう! なお、ブロッコリーは劣化しやすい野菜のため、購入したらその日のうちに茹でてしまいましょう。栄養価の損失を抑え、おいしくいただくことができます。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
コラム 手島 奈緒
株式会社大地(大地を守る会・現オイシックス・ラ・大地)で編集・広報・青果物仕入れなどを担当し、
おいしいものばかり食べていたせいかおいしいものが大好き。
2010年よりフリーランスライターとして農と食についての情報を発信中。
WEB ほんものの食べものくらぶ https://hontabe.com
BLOG ほんものの食べもの日記 https://hontabe.blog.fc2.com/