{ 食にまつわるお話 }2021.02.06
一度手前味噌を食べてしまうと、よその味噌は食べられなくなるほどおいしい。ということで、20数年の経験から編み出したかんたんレシピをご紹介します。
【材料】
大豆1kg 麹1kg 塩400g 板粕・35度焼酎適宜 和紙
容器(大豆1kgで作る場合は6リットル入のホーロー容器、陶製のカメなどがおすすめ)
このレシピで約5kgの味噌ができあがります。
【作り方】
1.大豆を洗って丸一日くらい水に浸けておく。
コツ→夜浸けて朝煮始めると柔らかくなるのに時間がかかります。前日のお昼に水に浸け、翌日のお昼から煮始めるくらいがベスト。大豆をふくふくに膨らませておきましょう。
2.麹と分量の塩を混ぜておく。
→45リットルのゴミ袋を2重にして混ぜるとうまく混ざります。
3.大豆を茹でる。
→ゆであがりの目安は、中指と親指で縦につまみ、軽く潰せるようになるまで。柔らかいほうが楽なので、のんびりゆでましょう。目安は二時間くらいかな。
4.ゆでた大豆をつぶす。
→フードプロセッサーやミンサーがない方はポテトマッシャーが便利です。ポリ袋に入れて足で踏むのもよくつぶれます。
※つぶした大豆ペーストの硬さに注意! 水分が足りないようならゆで汁を追加して柔らかくします。写真の感じを参考にしてみてください。
5.2と4をよく混ぜる。
→麹と塩を入れたポリ袋に大豆を少しずつ入れてもむようにして混ぜるとうまく混ざります。
6.消毒した容器に味噌を丸めて投げ入れる。
→ハンバーグをペタペタ投げるみたいに投げつけることで空気が抜ける。という触れ込みですが、ほんとうなのかなといつも疑っています。が、とりあえず続けています。このとき味噌のもとが硬すぎるとあちこちに麹が飛び散るので、水分量の再調整をするといいでしょう。
7.入れ終わったら上部をならして板粕を敷き詰め、和紙をはって焼酎をスプレーする。容器のまわりについた味噌を焼酎できれいに拭き取るのを忘れずに。和紙の上にラップをぴっちり張り、容器にもラップを張る。
→35度以上の焼酎で濡らした和紙を敷き詰めておくと、カビは和紙の上に生えます。和紙を取り除くとカビもうまく取り除けます。また、板粕にもカビよけ効果があります。味噌はどうしても上部が変色しますが、板粕を敷くと板粕だけを取り除けばOK。作った味噌が100%食べられるのと、和紙の上にカビが生えていない年はこの板粕(味噌味)も食べられます。お酒のつまみにおすすめです。
8.容器上部にぴっちりラップをし、ふたをして、ポリ袋に入れ密封して家の中の一番涼しそうなところに保管する。
9.一年寝かせてできあがり。開封して、カビが生えていても冷静にカビの胞子が飛ばないよう、用心深く和紙をはがせば大丈夫です。
メーカーの作る味噌用大豆は一般的に加工用の大豆、つまり、粒が揃っていなかったり、紫斑病が出ていたりと規格外のものが使われます。一方、手作り味噌に使うのは市販の大豆ですから、粒がそろって病気も出ていない、言ってみればピカピカのエリート大豆です。ぜいたくに最高級品の大豆を使うのですから、できあがりの味噌がおいしくないはずはありません。手前味噌は自分が仕込んだというだけでおいしいのですが、原料が最高だからこそおいしい、ということもあるのです。
塩や麹を自分好みのものにして、味の変化も楽しめます。例えば麹には、独特の味わいのある麦麹、ちょっとコクがあり味噌が黒っぽくなる玄米麹、さっぱりしてくせのない白米麹があります。それぞれの分量によって味も色も変わってきますから、慣れるとさまざまな麹を使ってみたくなります。どんな味の味噌になるのか試してみるのもおもしろいもの。最初はクセのない白米麹で。慣れてきたら、麦と白米混合でやってみると楽しいかもしれません。
わたしは最近、大豆2kg、麹2.5kg、塩800gで8~9kgの味噌を作っています。夫婦二人でちょうど一年でなくなります。毎年少しずつ味が違いますが、その違いを楽しんでいます。みなさんもぜひ、味噌作りを楽しんでみてくださいね。
(手島奈緒)
手前味噌づくりのすすめ その2 失敗しない味噌レシピ
手前味噌のいいところは、仕込んだら一年ほったらかしでいいこと。レシピ本などには「梅雨明けに天地返しすること」なんて書いてあります。天地返しとは、味噌の熟成を均一にするために行う作業ですが、冷暗所など存在しない都会の住環境では上層部も下層部も同じように熟成が進むため、天地返ししなくてもOKです。つまり、味噌は仕込んだら放置しておき、一年後にできあがるチョーかんたんな調味料なのです。一度手前味噌を食べてしまうと、よその味噌は食べられなくなるほどおいしい。ということで、20数年の経験から編み出したかんたんレシピをご紹介します。
【材料】
大豆1kg 麹1kg 塩400g 板粕・35度焼酎適宜 和紙
容器(大豆1kgで作る場合は6リットル入のホーロー容器、陶製のカメなどがおすすめ)
このレシピで約5kgの味噌ができあがります。
【作り方】
1.大豆を洗って丸一日くらい水に浸けておく。
コツ→夜浸けて朝煮始めると柔らかくなるのに時間がかかります。前日のお昼に水に浸け、翌日のお昼から煮始めるくらいがベスト。大豆をふくふくに膨らませておきましょう。
2.麹と分量の塩を混ぜておく。
→45リットルのゴミ袋を2重にして混ぜるとうまく混ざります。
3.大豆を茹でる。
→ゆであがりの目安は、中指と親指で縦につまみ、軽く潰せるようになるまで。柔らかいほうが楽なので、のんびりゆでましょう。目安は二時間くらいかな。
4.ゆでた大豆をつぶす。
→フードプロセッサーやミンサーがない方はポテトマッシャーが便利です。ポリ袋に入れて足で踏むのもよくつぶれます。
※つぶした大豆ペーストの硬さに注意! 水分が足りないようならゆで汁を追加して柔らかくします。写真の感じを参考にしてみてください。
5.2と4をよく混ぜる。
→麹と塩を入れたポリ袋に大豆を少しずつ入れてもむようにして混ぜるとうまく混ざります。
6.消毒した容器に味噌を丸めて投げ入れる。
→ハンバーグをペタペタ投げるみたいに投げつけることで空気が抜ける。という触れ込みですが、ほんとうなのかなといつも疑っています。が、とりあえず続けています。このとき味噌のもとが硬すぎるとあちこちに麹が飛び散るので、水分量の再調整をするといいでしょう。
7.入れ終わったら上部をならして板粕を敷き詰め、和紙をはって焼酎をスプレーする。容器のまわりについた味噌を焼酎できれいに拭き取るのを忘れずに。和紙の上にラップをぴっちり張り、容器にもラップを張る。
→35度以上の焼酎で濡らした和紙を敷き詰めておくと、カビは和紙の上に生えます。和紙を取り除くとカビもうまく取り除けます。また、板粕にもカビよけ効果があります。味噌はどうしても上部が変色しますが、板粕を敷くと板粕だけを取り除けばOK。作った味噌が100%食べられるのと、和紙の上にカビが生えていない年はこの板粕(味噌味)も食べられます。お酒のつまみにおすすめです。
8.容器上部にぴっちりラップをし、ふたをして、ポリ袋に入れ密封して家の中の一番涼しそうなところに保管する。
9.一年寝かせてできあがり。開封して、カビが生えていても冷静にカビの胞子が飛ばないよう、用心深く和紙をはがせば大丈夫です。
手前味噌がおいしい理由
メーカーの作る味噌用大豆は一般的に加工用の大豆、つまり、粒が揃っていなかったり、紫斑病が出ていたりと規格外のものが使われます。一方、手作り味噌に使うのは市販の大豆ですから、粒がそろって病気も出ていない、言ってみればピカピカのエリート大豆です。ぜいたくに最高級品の大豆を使うのですから、できあがりの味噌がおいしくないはずはありません。手前味噌は自分が仕込んだというだけでおいしいのですが、原料が最高だからこそおいしい、ということもあるのです。
塩や麹を自分好みのものにして、味の変化も楽しめます。例えば麹には、独特の味わいのある麦麹、ちょっとコクがあり味噌が黒っぽくなる玄米麹、さっぱりしてくせのない白米麹があります。それぞれの分量によって味も色も変わってきますから、慣れるとさまざまな麹を使ってみたくなります。どんな味の味噌になるのか試してみるのもおもしろいもの。最初はクセのない白米麹で。慣れてきたら、麦と白米混合でやってみると楽しいかもしれません。
わたしは最近、大豆2kg、麹2.5kg、塩800gで8~9kgの味噌を作っています。夫婦二人でちょうど一年でなくなります。毎年少しずつ味が違いますが、その違いを楽しんでいます。みなさんもぜひ、味噌作りを楽しんでみてくださいね。
(手島奈緒)