{ 食にまつわるお話 }2021.02.24

巣ごもり生活で気になる食品ロスのお話



緊急事態宣言下で、お出かけの機会がめっきり減りました。減ったと言うか、激減しています。世の中が変わってしまったなあとしみじみ感じています。

さて、そんな巣ごもり生活ではおうちごはんは大活躍中。日々の献立に四苦八苦しながら、食材の購入をされている方も多いのではないでしょうか。わたしは食材は宅配をお願いしているため、週一回、野菜やお肉が宅配されます。そのおかげで、スーパーでつい無駄なものを買ってしまう、なんてことはないのですが、宅配でも食材を買いすぎてダメにしてしまうことがわりとあります。

30年も宅配生活を送っているのに、一週間ではこれくらい、という量があまりわかってないのがそもそもダメなのですが、時々めんどくさくてお寿司やお惣菜を買ってしまうからに違いありません。また、そもそもがリスのように食材を溜め込む性格であることも関係しています。

そんなある日、食品ロスの記事が新聞に出ていました。「食品ロス」とは「本来食べられるものだったのに捨てられてしまう食品」のこと。週に二回のゴミの日、毎回なにがしかの食材を廃棄している自分としては、自分の生活を見直す必要があるとしみじみ痛感しました。食品ロスは食物をムダにするだけでなく、廃棄処分により焼却するエネルギーのムダ使いになり、地球温暖化の一因にもなるのですから、非常に大きな問題なのです。

食品ロスと言われると、なんとなく「コンビニの賞味期限切れお弁当廃棄問題」が頭に浮かびます。そのせいか「食品ロス=コンビニ=悪」なんて思っていましたが、実はそうではありません。日本で生まれている612万トンの食品ロスのうち、家庭から出るものが248万トン、事業系食品ロスが328万トンで、意外や意外、家庭から生まれるものが46%を締めています。これを国民一人あたりで考えてみると、毎日おちゃわんいっぱいぶんのごはんを捨てているのと同じなのだそう。ひー、なんたるムダ!!

あとひとつ、食品ロスでよく話題になるのが、小売業で採用されている「賞味期限の1/3までに商品を納入しなくてはならない」という「1/3ルール」です。これは確かに大きな問題で、商慣習の緩和などが求められています。が、同時に消費者の意識改革も大切でしょう。賞味期限と消費期限を同じように考えている人が多いからです。

そもそも「賞味期限」とはなんだろう?

賞味期限とは「その食品が美味しく食べられる期間の目安」です。よく似ていますが「消費期限」は腐ったり劣化したりしない期限」を示したもの。したがって、期限内に食べたほうが無難です。とくに「腐りやすそう」な豆腐とか牛乳に記載されていますから、わかりやすいと思います。

しかし、賞味期限はそうではありません。少々切れていても、そのものが腐ったり、食中毒を起こすほどに劣化したりしているわけではありませんから、それほど気にしなくていいとわたしは思っています。とはいえ、油が酸化したポテトチップスや、温度変化によりブルーミングを起こしてしまったチョコレートはまさしく「おいしく食べられる期間はとっくに過ぎた」食品です。溜め込むのが好きなリスでも、こういうものは廃棄しなくてはなりません。

食品ロスを出さない対策はただひとつ。食べられないほど食品を買わないという習慣をつくることです。自分的には少しずつ進化していると思っているのですが、最近、リモートで家にいる夫が今までしなかったお買いものに目覚め、得体のしれない調味料やお菓子が次々に棚にしまい込まれ、夫由来の食品ロスが増えつつあります。実は夫もわたしに輪をかけたリスなのです。

リス(妻)は食材購入に慎重でも、リス(夫)はこれから経験値を積み上げていくところ。彼の現在のHPは20くらいでしょうか。今後、リス(夫)由来の食品ロスをどう減らせばいいのか、気が気じゃありません。

食品ロスとは
https://www.maff.go.jp/j/shokusan/recycle/syoku_loss/161227_4.html(農林水産省サイト)


(手島奈緒)