{ 女性のからだとごはん }2021.07.18

母乳は赤ちゃんとママへのプレゼント

赤ちゃんが産まれてママからの初めての贈り物である母乳。赤ちゃんがおっぱいを吸うと、その刺激がママの脳へ伝わり、プロラクチンというホルモンを分泌させ、母乳を作ります。出産後に乳房が作る母乳を「初乳」といい、感染症から赤ちゃんを守る為の免疫グロブリンという物質や白血球が含まれています。また、初乳は赤ちゃんが最初に胎弁を出す事を助ける働きもするのです。

出産後3~4日すると、脂質や糖質が豊富に含まれる移行乳→成乳へと徐々に変化します。赤ちゃんがおっぱいを吸えば吸うほど、子宮は収縮し回復して行きます。
母乳栄養は赤ちゃんに良いだけではなく、お母さんの健康にも良い影響がある事をご存知ですか?赤ちゃんがおっぱいを吸う事でオキシトシンというホルモンが分泌され、「幸せな気分になる」「脳や心が癒され、ストレスが緩和する」など、お母さんの精神安定に繋がります。また、妊娠糖尿病の妊婦さんは将来糖尿病になるリスクが上がりますが、授乳期間が長いほど、その頻度が減少します。

赤ちゃんが母乳を飲む時の運動量は哺乳瓶から飲む時の60倍と言われていますので、赤ちゃんのあごの周りやほおの筋肉の発達を促すなど、赤ちゃんとママにとって沢山のメリットがあるのです。

 

赤ちゃんの心を満たしてあげる


赤ちゃんの為に、母乳をたくさん出してあげたい!と考えるママも多いはず。ただ、母乳は赤ちゃんを産んだらたっぷりと出てくるわけではありません。人によっては母乳が出にくい体質の方もいます。母乳育児に悩むママって、結構多いのです。
おっぱいは足りているのかなと心配になる時は、粉ミルクを足しながら様子を見ましょう。
最近のミルクは母乳と近い成分のものも多いので、赤ちゃんが満足していないようなら、産院などで利用した事のあるミルクを足してみましょう。飲ませる哺乳瓶の角度を調節して、乳首全体がミルクでいっぱいになるようにし、赤ちゃんが空気を一緒に飲み込まないように注意します。お母さんの乳腺炎や体調不良、服薬や災害などで母乳があげられない時の為の備蓄としてミルクがあれば安心ですし、最近では缶やパックタイプの液体ミルクも発売されており、非常に便利です。
一滴でも母乳をあげているのなら、胸を張って、混合育児を続けて下さい。
赤ちゃんが満足する事が一番大切ですので、100%の愛情を注いでいれば、母乳もミルクも考えすぎないで大丈夫ですよ。

母乳育児が軌道に乗り始めるのは生後2ヵ月頃といわれています。特に初産のお母さんは、母乳育児がうまくいかずに不安になることもあると思います。授乳は赤ちゃんとお母さんの共同作業ですので、助産師さんに相談しながら、焦らずに進めてみましょう。

タバコの害


授乳中のたばこは赤ちゃんにとって大きな害となります。両親が喫煙する家庭での乳児突然死症候群の発生頻度が5倍に増加する他、ニコチンの量の多い母乳を与えられた乳児は嘔吐、下痢、落ち着きがないなどの症状が現れる事があります。また、家族からの受動喫煙によっても、この割合は増加します。

赤ちゃんと家族の健康の為にも、たばことの付き合い方を見直してみましょう。

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日比野 真里奈

管理栄養士
健康運動指導士
妊産婦食アドバイザー
乳幼児食指導士

大量給食施設にて現場管理や管理栄養士業務
高齢者福祉施設で介護予防事業や入所者様の栄養アセスメント業務
病院にて栄養指導(主に生活習慣病や腎臓病、透析など)を経て
現在はフリーランスとして
奈良「ぱーぷるママ」アプリにて幼児食コラム掲載中
「ワタコレ」妊活イベントにて個別妊活食相談実施
mamanokoサイトにて商品アドバイザー
奈良市育児サークルにて離乳食と産後ママの健康講座開催