{ 女性のからだとごはん }2022.01.05

鉄の役割は?

最近、自分のお子さんに「疲れやすい」「なんとなくイライラしている」「朝スッキリと起きられない」といったお悩みはありませんか?
それは、「貧血」が潜んでいるサインかもしれません。乳幼児から2歳までの間と、思春期が鉄欠乏貧血になりやすい時期です。でも、貧血って、なぜ起こるのでしょうか?人が生きていく上で、鉄が果たす役割をおさらいして行きましょう。


血液の成分は赤血球、白血球、血小板などに分類され、貧血とは赤血球の血色素(ヘモグロビン)の濃度が基準値より低下した状態をいいます。鉄が不足してくるとはじめは肝臓に蓄えられた鉄が利用されますが、その状態が長く続くとヘモグロビンの合成に利用する鉄が少なくなり、身体の隅々まで酸素を運ぶことができなくなります。軽度の場合は自覚症状は起きにくく、貧血の度合いが進むとめまいや立ちくらみなどが起こりやすくなります。


子どもの貧血は、お母さんが妊娠中に貧血だった事や離乳食期に離乳食のスタートが遅い、食べる量が足りていなかったなど、さかのぼると原因が見えてくるのですが、過去の原因を考えるよりも今日できる事からスタートして行きましょう


女の子と生理


女の子は早くて小学校の高学年頃に月経を迎えます。 食事摂取基準によると、10~11歳の月経のある女の子の鉄の必要量は8~9歳の月経のない女の子よりも4mg(卵約4個分)も増加します。
思春期の女の子のママは、月経によって失われる鉄を考慮して、毎日の鉄分補給を考えてあげる必要があります。高学年になると習い事や部活動などで疲労感を感じている児童も大勢いますので、増える活動量は食事でしっかりと補う必要があります。

  

毎日家族でコツコツ鉄補給


月経が無くても、鉄は毎日汗やおしっこから排泄されます。鉄分と言うと、毎日の食卓で何を思い浮かべるでしょうか?もともと鉄は吸収率が低いため、週一回焼肉を食べればOKではなく、「毎日コツコツ意識して補給」が合言葉です。

鉄は動物性のヘム鉄と、植物性の非ヘム鉄に分けられます。
ヘム鉄の吸収率は25%、非ヘム鉄の吸収率は3~5%と言われていますので、
実は植物性のホウレンソウやひじきばかりをせっせと食べても、鉄がたっぷり補給できるわけではありません。思春期に鉄をしっかりと補給する為には、赤身の肉や魚(まぐろ、かつおなど)を意識してとりましょう。肉そぼろを作るときに、レバーの焼き鳥を刻んで加えるのも手軽な方法です。


1日3回きちんと食事を摂る事が貧血予防になりますが、特に朝ごはんは子どもが元気に過ごし、貧血を予防する重大キーポイント!
朝ごはんをしっかりと食べると体温も上がり、午前中の集中力も上がる事
がわかっています。納豆や卵、アサリ缶のお味噌汁など、手軽に準備できる
物を常備しておきましょう。最近は、鉄が強化されたウインナーやヨーグルトなども販売されていますので、賢く食卓に取り入れましょう。

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日比野 真里奈

管理栄養士
健康運動指導士
妊産婦食アドバイザー
乳幼児食指導士

大量給食施設にて現場管理や管理栄養士業務
高齢者福祉施設で介護予防事業や入所者様の栄養アセスメント業務
病院にて栄養指導(主に生活習慣病や腎臓病、透析など)を経て
現在はフリーランスとして
奈良「ぱーぷるママ」アプリにて幼児食コラム掲載中
「ワタコレ」妊活イベントにて個別妊活食相談実施
mamanokoサイトにて商品アドバイザー
奈良市育児サークルにて離乳食と産後ママの健康講座開催